- 主人公
-
あ、この曲ってもう終わりなんですかね。メロディーが佳境に入ってきたみたい……
少しだけ残念な気持ちでニキ先輩を見上げると、すぐそばでキレイな顔がゆっくりと微笑んだ。
- 主人公
- えっ! えっと……す、少し……
そう返すと、ふふっと笑うだけのニキ先輩。私はいつもより早い自分の鼓動に気が付く。
- ニキ
- おっと、始まったみたいだね! きらきらきら〜☆
- 主人公
- え!? な、なにがですか!? なんかすごい光ってる!?
たくさんの光の粒がニキ先輩を包む。ステップを踏むたびに弾けては消え、またキラキラと舞った。
- 主人公
- う……そ……!
光は粒から細い糸となって、きらびやかな衣装を紡いでいく。
- 主人公
- 先輩っ! 変身っ……! 変身し始めてますっ……!!
- ニキ
- ふふふ♪ この曲が終わるころにはちゃんと変身できてるかな?
- ニキ
- さぁ、ラストスパートだよ〜!
突然上がった曲のテンポに、私はただただ、振り回されるように踊った。
- 主人公
- きゃっ!? いきなり早くなっ、
弾むようなステップと勝手に動く身体に、だんだん可笑しくなってきて、私は笑みを浮かべたままニキ先輩と踊り続けた。
- 主人公
- 楽しいけど、先輩、目が回ってきました……っ!
- ニキ
- ほら、お口チャックしてないと、舌噛んじゃうよ〜?
曲の最後の一音が鳴り響く。
私は腰をグッと引かれ、大げさに仰け反ったキメポーズをとらされた。
- ニキ
- メルシー♪ とーってもトレビアンだったよ〜☆