追加のエクストラストーリー『祭り囃子が聴こえる 夏休み特大号』に収録されています。

  • みんなは近道コースに向かい、私はニキ先輩と2人きりになった。
    なんだか申し訳ない気持ちでいると、ニキ先輩がスッと手を差し出してくる。
  • ニキ
  • お手をどうぞ、小鹿ちゃん☆ どうしたの? そんなに緊張しないで
  • 主人公
  • えっと……あの、本当に大丈夫です……けど……
  • ニキ
  • だ~め! こんなに人がいっぱいでその足じゃ、転ぶかもしれないでしょ~?
  • 主人公
  • うぅ……わかりました……。ニキ先輩って、本当にレディーファーストですよね

    ちら、とニキ先輩の顔を見上げると、ふふ、と不敵な笑みを返された。
  • ニキ
  • ……レディーファーストってわけじゃないんだよ?
  • ニキ
  • 僕たち、小鹿ちゃんには特別優しくしてあげたくなっちゃうんだ~
  • 主人公
  • え……
  • ニキ
  • サクヤくんも厳しいけど、なんでも熱心に教えてくれるでしょ?
  • 主人公
  • はい
  • ニキ
  • アっくんもカイトもミカも、いつもキミの力になりたいと思ってるし~
  • 主人公
  • はい
  • ニキ
  • リンちゃんもユウユウもとっても頼りになるよね、年下とは思えないくらい!
  • 主人公
  • ……はい
  • ニキ
  • キミだからと・く・べ・つ……なの!
  • 主人公
  • は……い……
  • ニキ
  • え~、なんで泣いちゃうの~? 足が痛くなっちゃったかな? いいよ、ゆっくり行こ~?
  • 主人公
  • はい……
  • ニキ
  • お祭り、とっても楽しかったなぁ~。またみんなで来ようね~☆

    にっこりと笑うニキ先輩の後ろで最初の花火が上がる。
    きらきらと輝く笑顔に返事するように、握る手にキュッと力を込めた。